相続財産とは、不動産(土地・建物)や、預貯金・金融商品(株・国債など)が一般的です。また、分かりづらいとは思いますが、相続税の課税対象となる財産をみなし財産と言います。
相続財産がプラスであれば、単純相続することに越したことはありませんし、相続財産にマイナスの財産がある場合、相続放棄や限定承認などの法的な観点から相続方法の決定について検討する必要があります。
プラスの財産は以下になります。
不動産:土地と建物です。法務局で登記簿謄本を取得して確認します。
動 産:自動車、機械、美術品などです。
債 権:売掛金や貸付金などです。
現金、預貯金:通帳の名義などで確認できます。
株 式:被相続人名義の株式です。
生命保険金、死亡退職金:被相続人を受取人としているものに限ります。
マイナスの財産の代表は、以下になります。
債 務:住宅ローン、金融機関からの借り入れ、知人友人からの借金。
次のような場合は、相続財産の判断が難しくなってきます。
会社を経営していた…
連帯保証人になっていた…
借家に住んでいた…
借地権を有していた…
これらを、簡単に解説していきます。
会社(法人)を経営していた場合とは、「被相続人が会社を経営していた場合」が、この場合に該当します。
例えば、株式会社の場合は、会社は株主(あるいは出資者)によって所有されているので、会社自体は相続財産にはなりません。
被相続人が株式(あるいは出資分)を所有していたのであれば、株式や出資持分が相続財産として扱われるので、それらを相続することにより、会社を相続することと同じような効果があると言えます。
ただし、会社を経営していた場合には、財産と負債が混然としている場合も多く、思わぬ損をしたりトラブルに巻き込まれないためにも、やはり一度ご相談をいただき、しっかりとした法的手続きをとることをお勧めします。
この他、被相続人が亡くなられた年に収入があった場合、亡くなられた日から、4ヶ月以内に 準確定申告を行う必要があります。
連帯保証人となっていた場合とは、「被相続人が友人の借金の連帯保証人となっていたような場合」がこれにあたります。
この場合、相続開始時点で債務額がはっきりしている、または責任額が決められている場合にはマイナスの財産として確定します。
ただし、相続開始時点では、友人がしっかり返済していて、連帯保証人である被相続人にはまだ請求がきておらず、債務額が確定していなかったとしても注意が必要です。
それは、この場合でも連帯保証人としての地位は相続しなければならないからです。
「借家に住んでいた場合」は、借家人としての権利を相続すると同時に賃料の支払い義務も相続します。
借地権を有していた場合とは、「被相続人が土地を借りて建物を建てて住んでいた(借地権者 といいます)ような場合」です。
この場合は借地権者としての地位を相続すると同時に、地代(借地の賃料)の支払い義務も相続します。